考え方

30名以下の会社は「研修内容」ではなく「研修の前後」で成果が決まる

「この研修を受ければ、社員の主体性が高まります。」
「コミュニケーション力が向上します。」
「管理職としての意識が変わります。」

研修会社のホームページを見ると、このような言葉が並んでいます。

そして、多くの経営者も、

「どんな内容なのか?」
「どんな講師なのか?」
「最近流行りなのか?」

という視点で研修を選びます。
もちろん、それは間違いではありません。

質の高い研修を受ければ、新しい知識や考え方、スキルやノウハウを学ぶことができます。

しかし、ここで一つ考えていただきたいことがあります。

「知っている」と「できる」は、まったく違う。

そして、

「できる」と「会社の成果につながる」は、さらに別の話です。

これまで多くの中小企業の現場を見てきましたが、研修が成果につながらない原因の多くは、研修内容ではありません。本当の原因は、

「学んだことを実践する環境が用意されていないこと」

にあります。

例えば、スポーツを想像してみてください。プロのコーチから最高のフォームを教えてもらっても、その日だけ練習して終われば、数週間後にはどうなるでしょうか。

おそらく、多くの人は元のフォームに戻ってしまいます。

なぜなら、人は繰り返し実践することでしか習慣は変わらないからです。

これは仕事も同じです。
どれだけ素晴らしい営業研修を受けても、どれだけ良いマネジメントを学んでも、どれだけコミュニケーションのコツを知っても、翌日から目の前の仕事に追われ、

「今日は忙しいから、また今度やろう。」
「いいのは分かるけど、また落ち着いたら。」

となれば、その学びは少しずつ薄れていきます。
つまり、研修で得た知識が悪いのではなく、

実践する時間と場がないことが問題なのです。

社員数30名以下の会社は、大企業とは組織の構造が違います。
社長との距離が近く、上司の影響力も大きい。良くも悪くも、職場の空気が社員の行動を決めます。

だからこそ、研修で「これからはこうしましょう」と学んでも、翌日、上司が今までと同じ指示を出し、今まで通りの仕事量を与え、実践する時間も作らなければ、社員はどちらを優先するでしょうか?

答えは明らか。目の前の仕事です。

つまり、

研修の敵は、研修内容ではありません。

「忙しい日常」なのです。

だから私たちは、研修内容を考える前に、経営者や管理職の皆さんと一緒に「成果が出る環境」を設計します。

例えば、

  • なぜ、この研修を行うのか。
  • 研修後、社員にどんな行動が増えてほしいのか。
  • 上司は研修前にどんな声掛けをするのか。
  • 研修後はどのようにフォローするのか。
  • 学んだことを実践するために、何を減らし、どんな時間を確保するのか。

ここまで決めてから研修を実施します。

なぜなら、研修は「学ぶこと」が目的ではなく、「行動を変えること」が目的だからです。

ここで誤解してほしくないことがあります。
学びを定着させるには、会社側にも覚悟が必要です。新しいことを実践する期間は、一時的に仕事のスピードが落ちるかもしれません。慣れないやり方に戸惑う社員もいるでしょう。

しかし、それを理由に、

「今は忙しいから、元のやり方で。」

となってしまえば、組織はいつまで経っても変わりません。短期的な生産性だけを追いかければ、新しい挑戦は生まれません。

一方で、実践する時間を意図的につくり、上司が継続して関わることで、その行動は少しずつ習慣になります。そして、その習慣が組織の文化となり、長期的には生産性の向上につながっていきます。

社員数30名以下の会社にとって、研修は決して安い投資ではありません。
だからこそ、私たちは次の3つのムダをなくしたいと考えています。

  • コストのムダ
     研修費をかけても成果につながらない。
  • 時間のムダ
     現場を止めて学んだのに、何も変わらない。
  • やりっぱなしのムダ
     学びが現場に定着せず、忘れられてしまう。

私たちが提供したいのは、研修そのものではありません。
研修という投資を、組織の成果につなげる仕組みです。

そのために必要なのは、「何を教えるか」だけではありません。

研修前に何を準備するのか。研修後に、講師・上司・会社がどう関わるのか。

実は、この前後の設計こそが、研修コンテンツ以上に成果を左右すると、私たちは考えています。

研修は1日で終わります。
しかし、組織づくりは365日続きます。

だからこそ、本当に価値があるのは、研修当日ではなく、その前後をどう設計するか。

私たちは、社員数30名以下の会社だからこそできる「成果が定着する組織づくり」を、これからも支援していきたいと考えています。

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