「利益は出ているのに、お金が残らない。」
中小企業の経営相談で、よく耳にする言葉です。
売上は伸びている。
利益も出ている。
それなのに、
- 設備投資ができない
- 人材採用に踏み切れない
- 新しい挑戦ができない
そんな状況に陥る会社は少なくありません。実は、国税で23年間所属していた弊社代表櫻井と話していると、一つの共通点が見えてきます。
それは、
利益をしっかり残している会社ほど、お金が残る仕組みづくりに力を入れている。
ということです。
その代表例の一つが「旅費規定」です。
そもそも旅費規定とは?
旅費規定(出張旅費規程)とは、
役員や従業員が出張した際の交通費・宿泊費・日当などの支給基準を定めた社内ルールです。
「交通費のルールでしょ?」
と思われるかもしれません。
しかし、本質はそこではありません。
旅費規定は、結果的に会社にお金を残し、仕組みで動かすための経営ツールでもあります。
利益を残している会社ほど、このような仕組みづくりを大切にしています。
売上より大切なものとは?
経営者はつい売上を追いかけます。
もちろん売上は大切です。
しかし、どれだけ売上があっても、手元にお金が残らなければ会社は動けません。
逆に、十分なキャッシュがあれば、
- 新しい事業への挑戦
- 優秀な人材への投資
- 景気変動への備え
ができます。
経営の自由度を決めるのは、キャッシュです。
だからこそ経営者は、
「どうやって売上を増やすか」
だけではなく、
「どうやって会社にお金を残すか」
を考える必要があります。その一つの方法が、旅費規定の整備です。
なぜ中小企業ほど旅費規定の導入をすべきか?
旅費規定には、会社と個人の双方にメリットがあります。
例えば出張日当。
適正な旅費規定に基づいて支給された日当は、
法人側のメリット
- 出張旅費として経費(損金)計上できる
- 法人税負担の軽減につながる
- 日帰り出張・宿泊出張の日当も対象にできる
- 消費税の課税仕入れの対象となる
個人側のメリット
- 適正な範囲であれば所得税・住民税が非課税
- 給与のような源泉徴収が不要
- 出張時の昼食代や雑費などの実費負担を補填できる
社会保険上のメリット
- 給与ではないため社会保険料の算定対象外
- 会社負担分・個人負担分の保険料増加を抑えられる
つまり、同じお金を支払う場合でも、
給与として支払うより、会社と個人の双方へお金を残せる可能性があるのです。
また、
- 領収書の細かな集計作業を減らせる
- 経費精算業務を効率化できる
- 個人が負担していた業務上の費用を補填できる
- 出張費の基準を統一できる
という実務上のメリットもあります。
旅費規定を導入する5つのメリット
旅費規定は単なる節税対策ではありません。
会社を強くし、未来への投資を可能にする仕組みでもあります。
① 節税効果がある
旅費規定の大きなメリットの一つが、税務上のメリットを活用できることです。
先ほども記載しましたが、適切な旅費規定に基づいて支給された出張日当は、会社と個人の双方にメリットがあります。同じお金を支払うのであれば、給与として支給するよりも効率的に会社と個人の双方へお金を残せる可能性があるのです。
その結果として、会社にはより多くのキャッシュが残り、
採用や設備投資、新規事業への挑戦など、未来への投資がしやすくなります。
旅費規定は、その原資をつくるための仕組みの一つです。
② 経費精算業務が効率化する
出張のたびに、
- 領収書を集める
- 経費を細かく確認する
- 精算内容をチェックする
こうした作業は意外と手間がかかります。
旅費規定を整備し、日当や宿泊費の基準を明確にしておけば、経費精算業務を大幅に効率化できます。
経理担当者にとっても、
- 精算ミスが減る
- 確認作業が減る
- 処理時間を短縮できる
というメリットがあります。
また、
これまで従業員が自己負担していた細かな出張経費についても、ルールに基づいて補填しやすくなります。
旅費規定は節税だけでなく、
バックオフィスの生産性向上にもつながる仕組みなのです。
③ 税務調査への備えになる
旅費規定がない場合、
「これは給与ではありませんか?」
と指摘される可能性があります。
一方で、
- 規定がある
- 全社員に適用されている
- 金額が社会通念上妥当である
という状態であれば説明しやすくなります。
会社のルールとして運用されていることが重要です。
④ 属人経営を減らし、公平な組織運営ができる
旅費規定がない会社では、
- 人によってホテル代が違う
- 毎回判断が変わる
といったことが起こりがちです。
こうした曖昧な運用は、社員の不満や不信感につながる原因になります。
一方で旅費規定が整備されていれば、
- 誰が出張しても同じ基準
- 誰が判断しても同じ結果
- 社長の気分でルールが変わらない
状態をつくることができます。
つまり、不公平感をなくすだけでなく、経営を人ではなく仕組みで動かす第一歩になるのです。
会社が成長するほど、「社長がすべて判断する経営」には限界があります。
だからこそ、小さなルールの積み重ねが重要になります。
⑤ 会社としての信頼性が高まる
旅費規定をはじめ、社内ルールが整備されている会社は、
- 金融機関
- 採用候補者
- 社員
から見ても安心感があります。
実際に成長している会社ほど、こうした基礎的な仕組みを大切にしています。
派手な経営戦略よりも先に、まずは土台を整える。
その積み重ねが、持続的な成長につながります。
旅費規定で気をつけるべき3つのポイント
旅費規定は作れば良いわけではありません。
運用方法を誤ると、税務上問題になる可能性があります。
① 全社員を対象にする
社長だけが得をする規定は認められません。
役員から一般社員までを対象にしたルールにする必要があります。
役職によって日当額に差を設けることは可能ですが、合理的な範囲であることが重要です。
② 金額を相場に合わせる
「節税したいから日当を高額に設定する」
という考え方は危険です。
出張日当が給与と判断されれば、追徴課税の対象になる可能性があります。
重要なのは、社会通念上妥当な金額であることです。
③ 出張の証拠を残す
出張報告書や旅費精算書は必ず作成・保管しましょう。
これらは、
「実際に出張があった」
ことを証明する重要な資料です。
記録がなければ、税務調査で架空出張を疑われるリスクがあります。
弊社が大事にしている考え方
私たちは経営を考えるとき、
売上だけを見ません。利益だけも見ません。
そして節税だけも見ません。
見るのは、
会社の未来をつくるためのキャッシュが残る仕組みになっているか。
ということです。
旅費規定は小さな仕組みです。
しかし、小さな仕組みの積み重ねが、創業者頼みの会社を次世代組織へと変えていきます。
旅費規定は「作ること」より「正しく運用できること」が大切
インターネット上には旅費規定のテンプレートも数多くあります。
しかし、
- 自社の実態に合っているのか
- 税務上問題がないのか
- 継続的に運用できるのか
までは分かりません。
旅費規定は作れば終わりではなく、実際に運用できることが重要です。
そしてもう一つ大切なのが、
「後から否認されない設計になっているか」
という視点です。
私たちPhase Shiftでは、旅費規定の作成支援だけではなく、会社の状況や出張実態をヒアリングした上で、
元国税税理士の監修のもと、税務面も考慮した旅費規定の導入支援を行っています。
元国税だから節税を考えるのではありません。元国税だからこそ、
「後から問題にならない仕組みづくり」
を重視しています。単なる節税対策ではなく、
- キャッシュを残す仕組みづくり
- 経営の仕組み化
- 税務リスクへの備え
まで含めてサポートしています。
もし、
- 利益は出ているのにお金が残らない
- 旅費規定を導入したい
- 経営をもっと仕組みで回したい
- キャッシュを増やしながら会社を成長させたい
そんな課題を感じている方は、まずは一度ご相談ください。
売上を増やす方法を探す経営者は多い。
しかし、本当に伸びる会社は、
「お金が残る仕組み」を先につくっています。
旅費規定は、その第一歩かもしれません。
ぜひ一度ご相談ください。