弊社代表の櫻井が昭和労務管理研究会にて講演をさせていただきました。

テーマは、
「税務調査対応について」
約1時間にわたり、
✅ 税務調査のリスク
✅ 経営者と調査官の視点の違い
✅ 調査前に準備しておくべきこと
などについてお話しさせていただきました。参加者の皆さまからは、
・自分の勘違いに気づけた
・とても分かりやすく、あっという間だった
・調査官の視点を知る重要性が理解できた
といった嬉しいご感想をいただきました。
税務調査という言葉に、不安やマイナスなイメージを持つ方は少なくありません。確かに、調査結果によっては思わぬ資金流出につながる可能性もあります。
しかし本当の対策は、「どうぞ、ご自由にご覧ください」と自信を持って言える状態を日頃からつくっておくことだと私たちは考えています。
参加者様からも質問があったいわゆる「お土産」の正体をここでは解説します。
税務調査におけるお土産って何?
「税務調査を早く終わらせたい。」
経営者であれば誰もがそう思うでしょう。
実は税務調査の現場では、「お土産」を用意して調査に臨む会社があります。
お土産と言っても、お菓子や手土産ではありません笑
税務調査で指摘されそうな修正点を、あえて残しておくことです。
しかし、この考え方は場合によっては逆効果になることがあります。
今回は、元国税職員の視点から「税務調査のお土産」についてお話しします。
お土産の正体は?
税務調査のお土産とは、
「ここを指摘してください」
とばかりに修正点を残しておくことです。
例えば、
・決算期末の売掛金の一部を計上しない
・少額の経費を誤って計上する
・在庫の計上漏れを残しておく
といったケースです。
社長としては、
「多少の修正を認めれば調査官も納得して早く終わるだろう」
という考えかもしれません。
しかし、調査官は必ずしもそのようには考えません。
調査官が感じる違和感
一つのミスだけであれば、単純な処理ミスかもしれません。
しかし、意図的に利益を調整しているような処理が見つかると話は変わります。
例えば、
本来であれば3月末までに計上すべき売掛金を翌期へずらしていた場合。
金額の大小ではありません。調査官が見るのは、
「なぜこの処理になったのか」
です。そこで、
「利益を調整しようとしているのではないか」
という疑問が生まれます。
すると、その一点だけではなく、
「他にも同じような処理はないか?」
という視点で調査が進むことになります。
本当に見られているのは金額ではなく会社の体質
税務調査では、「いくら間違えたか」
よりも、「なぜ間違えたのか」
が重要になることがあります。
売掛金の計上漏れ。
在庫の未計上。
経費の前倒し。
これらが繰り返されていると、「たまたまのミス」ではなく、
「利益調整を行う体質」と見られる可能性があります。
調査官は過去の申告内容や修正履歴も確認しています。
そのため、一度だけの問題では終わらないこともあります。
お土産を用意する会社はまた来てもらいやすい?
少し分かりやすい例えをします。
ケーキ屋さんでクッキーをおまけでもらった経験はありませんか?
お客さんからすると、「またあのお店に行こうかな」という気持ちになります。
もちろん税務調査はそんな単純な話ではありません。
しかし、毎回修正事項が見つかる会社は、
「改善状況を確認する必要がある会社」
として認識される可能性があります。
つまり、「調査で何か出てくる会社」
という印象を持たれてしまうこともあるのです。
本当の税務調査対策とは?
税務調査対策というと、「何を指摘されるか」ばかりに目が向きがちです。
しかし、本当に重要なのは、
・取引の根拠を説明できること
・帳簿と実態が一致していること
・継続して正しい処理を行うこと
です。調査官が安心するのは、ミスのない完璧な会社ではありません。
数字について合理的な説明ができる会社です。
まとめ
税務調査のお土産は、
一見すると調査を早く終わらせるための良い方法に思えるかもしれません。
しかし実際には、
「利益調整をしている会社」
「他にも問題があるかもしれない会社」
という印象を与えてしまう可能性があります。
税務調査で大切なのは、お土産を用意することではありません。
日頃から正しい処理を行い、数字を説明できる状態を作っておくことです。
それこそが、最も効果的な税務調査対策と言えるでしょう。
弊社では、
「税務調査事前リスク診断』を行っております。
もし、不安を抱えている方はぜひ一度、ご相談ください。