「セミナーを開催しているけど、なかなか相談につながらない」
「参加者からは『勉強になりました』と言ってもらえる。でも、その後の商談が増えない」
「専門的な内容をしっかり伝えているのに、なぜか仕事につながらない」
もし、あなたがこのような悩みを感じているなら、
セミナーの内容そのものよりも、セミナーの設計に問題があるのかもしれません。
「専門性を伝えること」が、いいセミナーではない
専門家がセミナーを開催するとき、よくあるのが、
「せっかく参加してもらうんだから、役立つ情報をたくさん伝えよう」
という考え方です。もちろん、参加者に価値を提供することは大切です。専門知識を分かりやすく伝えることも必要です。ただ、それだけでは「仕事につながるセミナー」にはなりません。
なぜなら、「勉強になった」と「この人に相談したい」は、別物だからです。
たとえば、参加者から「今日はとても勉強になりました!」と言ってもらえたとします。一見、セミナーは成功したように感じます。
でも、その人が帰ったあと、「じゃあ、具体的に自分の場合はどうなんだろう?」「もう少し相談したいな」とならなければ、次のステップに進みません。
ですので、いい話やいい内容が良いセミナーというわけではなく、営業活動において私たちは、いいセミナーをこう定義しています。
「もっと詳しく聞きたい」「自分の場合も相談してみたい」
そう思ってもらい、次の商品や商談に進みたくなるセミナー。
つまり、セミナーはそこで完結するものではありません。
次の行動が生まれるところまでが、セミナーです。では、なぜセミナーをやっているのに成果につながらないのでしょうか。
今回は、特に多い3つの間違いをご紹介します。
間違い① 顧客のニーズを理解していない
最初の間違いは、「自分が何を話せるか」からセミナーを考えてしまうことです。
特に専門家ほど、この状態になりやすい傾向があります。
たとえば税理士であれば、
・税制改正
・節税
・相続
・事業承継
・補助金
・財務
・経営計画
など、専門家として話せるテーマはたくさんあります。
しかし、
「自分が話せるテーマ」と「顧客が相談したいテーマ」は、必ずしも同じではありません。顧客が欲しいのは、税金の知識そのものではないかもしれません。
「利益は出ているのに、なぜお金が残らないんだろう?」
「このまま息子に会社を継がせて大丈夫だろうか?」
「会社を今後どうしていけばいいのか分からない」
「銀行から融資を受けるには、何を改善すればいいのか?」
このように、専門知識の裏側には、顧客が本当に解決したい悩みがあります。
だからこそ、「何を教えるか?」の前に、「参加者は、今どんなことで困っているのか?」を考える必要があります。
セミナーのテーマは、
専門家が話したいことから決めるのではなく、顧客が相談したいことから逆算する。
ここがスタートです。
間違い② 自分の話したいことで構成が組まれている
2つ目は、「伝えたいこと」を中心にセミナーを構成してしまうことです。
専門家には、知識があります。経験もあります。実績もあります。
だからこそ、
「これは知っておいてほしい」
「この話も重要だから入れたい」
「この事例も紹介したい」
と、どんどん内容が増えていきます。もちろん、情報量が多いこと自体が悪いわけではありません。問題は、「自分が伝えたい順番」と「参加者が納得する順番」は違うということです。
セミナーでは、「この知識を教える」だけではなく、
「なぜ、この問題が起きているのか?」
「自分にも当てはまるのでは?」
「では、どうすればいいのか?」
「自分の場合はどうなんだろう?」
というように、参加者の中に気づきや疑問を生み出していく必要があります。
つまり、「何を話すか」ではなく、「参加者にどんな順番で気づいてもらうか」で構成を考える。これが重要です。
セミナーは、講師の頭の中にある知識を順番に取り出して見せる場所ではありません。参加者の頭の中に、「気づき→納得→疑問→相談したい」という流れをつくる場所です。
間違い③ あれもこれも伝えて、内容がぼやける
そして3つ目。これは専門家ほど陥りやすい問題です。
「せっかく参加してくれたんだから、できるだけ多く伝えよう」
そう考えて、
・税金
・財務
・補助金
・相続
・事業承継
・経営
・人材育成……
と、どんどん盛り込んでしまう。でも、たくさん伝えた結果、
「結局、このセミナーは何だったんだろう?」となってしまうことがあります。
情報量が多い=価値が高い
とは限りません。
むしろセミナーでは、
「何を伝えるか」以上に「何を伝えないか」
が重要です。
一つのテーマに絞り、
「今日、このことだけは持ち帰ってください」
と言えるくらいまで削る。すると、参加者の中に新しい疑問が生まれます。
「なるほど。でも、自分の会社の場合はどうなんだろう?」
ここが大切です。なぜなら、
「分かった」で終わるセミナーより、「自分の場合を知りたい」と思うセミナーの方が、次の相談につながるからです。すべてをセミナーで解決する必要はありません。
むしろ、セミナーでは「気づき」をつくり、個別相談で「自分の場合」を扱う。この役割分担が、営業につながるセミナーでは重要になります。
「いいセミナー」と「仕事につながるセミナー」は違う
ここまでの3つをまとめると、
成果が出にくいセミナー
「自分が話したいこと」→「専門知識をたくさん伝える」→「参加者に満足してもらう」で終わっています。
成果につながるセミナー
「顧客の悩みを理解する」→「テーマを絞る」→「気づきが生まれる構成にする」→「もっと知りたい状態をつくる」→「個別相談・商品へつなげる」
という流れになっています。
つまり、セミナー単体ではなく、その前後まで含めて設計することが重要なのです。
セミナーを「営業の仕組み」に変える
私たちPhase Shiftが考えるセミナー活用は、「セミナーを上手に開催すること」だけではありません。大切なのは、セミナーを入口に、相談・提案・契約へつながる流れをつくること。
この流れができていれば、セミナーは単なる「情報提供の場」ではなくなります。新しい顧客との接点をつくり、次の商談を生み出す営業の仕組みになります。
最後に
専門家にとって、セミナーは非常に相性のいい営業手段です。なぜなら、営業担当者が一から説明しなくても、セミナーそのものが
「この人は何を知っているのか」
「どんな考え方をしているのか」
「自分の悩みを理解してくれそうか」
を伝えてくれるからです。
ただし、「いい話をする」だけでは、仕事にはつながりません。
必要なのは、「誰の、どんな悩みを、どんな順番で解決し、次に何をしてもらうのか」
まで設計すること。セミナーを開催することが目的ではありません。
セミナーを入口に、次の商談が生まれる仕組みをつくる。
それが、私たちPhase Shiftが考える「成果につながるセミナー」です。