「また聞きたい」を生み出す情報設計
「せっかく参加してもらうんだから、できるだけ多くのことを伝えよう」
以前の私は、そう考えていました。
セミナーに参加してもらった以上、
「来てよかった」
「すごく勉強になった」
と思ってもらいたい。だから、有益な情報をできるだけ詰め込む。
具体的な方法も、ノウハウも、成功事例も、できる限り伝える。
その結果、参加者の満足度は上がりました。
「とても参考になりました!」
「今日からやってみます!」
そんな言葉をもらえることも増えました。
そんな風に言ってもらえると嬉しいですよね。
でも、ひとつ問題がありました。それは、
なかなか契約につながらない。
そこで気づいたのです。
「満足してもらうこと」と「受注につながること」は違う
もちろん、セミナーで有益な情報を伝えることは大切です。
・参加者の悩みを解決する。
・新しい知識を提供する。
・「なるほど!」という気づきを持ち帰ってもらう。
これは、セミナーの大切な役割です。
ただし、
受注型のセミナーでは、それだけでは不十分です。
なぜなら、すべてを教えてしまうと、
「なるほど、やることは分かった」
↓
「じゃあ、自分でやってみよう」
となってしまうからです。
そして、そこでセミナーが完結します。
講師としては、「役に立てた!」と嬉しい。
参加者も、「勉強になった!」と満足する。
でも……
仕事にはつながらない。
これでは、セミナーを営業活動として考えたときには、少しもったいないですよね。
「全部教えない」は、情報を隠すことではない
ここで誤解してほしくないのが、
「全部教えない=出し惜しみする」ではない
ということです。参加者にとって本当に必要な情報を隠して、
「続きは有料です」
というやり方ではありません。
むしろ逆です。
セミナーでは、しっかり価値を提供する。
そのうえで、
「自分の場合はどうすればいいんだろう?」
という問いを残す。ここが重要です。
セミナーで伝えるべきなのは「答え」だけではない
例えば、
「売上を上げたい」という経営者向けのセミナーをするとします。
そこで、
「売上を上げるには、この3つをやりましょう」
と具体的な方法をすべて教える。
すると参加者は、
「なるほど!この3つをやればいいんだ」
となります。もちろん、それは価値のある情報です。
でも、その先に、
「自分の会社の場合、どれからやればいいんだろう?」
「うちの場合、この方法が本当に合っているのかな?」
「実際にやろうとすると、どこから手をつければいいんだろう?」
という疑問が生まれることがあります。
ここが大切です。
「何をすればいいか」が分かることと、「自分で実行できること」は別だからです。
「分かった」と「できる」の間には、大きな壁がある
セミナーで知識を得る。
↓
「なるほど」と理解する。
↓
「やることは分かった」と思う。
でも、実際にやろうとすると、
「自分の会社の場合は?」
「このケースではどうする?」
「優先順位は?」
「具体的にどう進める?」
と、次々に疑問が出てきます。
つまり、知識を得ることと、実際に成果を出すことの間には、大きなギャップがあります。
ここに、専門家が提供できる価値があります。
セミナーと商品には、それぞれ役割がある
私たちは、セミナーと商品を同じものとして考えません。
例えば、
セミナー
「気づく・理解する」
↓
個別相談
「自分の場合を整理する」
↓
商品・サービス
「実際に一緒に実行する」
という役割分担です。
セミナーですべてを完結させるのではなく、
「もっと自分の場合を知りたい」
という状態をつくる。それが、次の商品や個別相談への自然な入口になります。
「また聞きたい」を生み出す
受注型のセミナーで大切なのは、
「全部分かった!」
と思ってもらうことだけではありません。
むしろ、
「もっと聞きたい」
「自分の場合はどうなんだろう?」
「この人に相談してみたい」
と思ってもらうことです。だから、セミナーでは、
「何を全部伝えるか」
ではなく、
「どこまで伝えれば、参加者自身が次の一歩を踏み出したくなるか」
を考える。これが情報設計です。
ただし、「情報を出し惜しみする」のは逆効果
ここは非常に重要です。
「全部教えない」と聞くと、
「じゃあ、わざと情報を隠せばいいの?」
と思うかもしれません。そうではありません。
むしろ、セミナーでは、
「こんなに教えてくれるの?」
と思ってもらうくらい、価値を提供する。
ただし、
「知識を得ること」と「その人の課題を解決すること」は分ける。
これがポイントです。
例えば税理士なら、
「節税にはこういう考え方があります」
という知識を提供する。
でも、
「あなたの会社なら、どの方法が適切なのか?」
「今の財務状況なら、何を優先するべきなのか?」
という個別具体的な部分は、相談の中で扱う。
コンサルタントなら、
「こういう経営課題があります」
「こういう考え方で整理できます」
というところまではセミナーで伝える。
そのうえで、
「では、あなたの会社ではどうするのか?」
を一緒に考える。
ここに専門家の価値があります。
受注型セミナーは「全部教える」から「次の行動を生み出す」へ
セミナーを、
「参加者に満足してもらう場」
だけとして考えると、
「できるだけたくさん教えよう」
となります。
でも、
「次の商品や商談につながる場」
として考えると、設計が変わります。
大切なのは、全部教えることではありません。
参加者が、
「なるほど」
↓
「確かに自分にも当てはまる」
↓
「でも、自分の場合はどうなんだろう?」
↓
「一度相談してみたい」
となる流れをつくることです。
セミナーは「完結」させない
セミナーの目的は、その場ですべての問題を解決することではありません。
参加者に新しい視点を渡し、「自分も変えた方がいいかもしれない」と気づいてもらう。
そして、「その先を一緒にやってほしい」と思ってもらう。
そこまで設計できれば、セミナーは単なる情報提供の場ではなくなります。
セミナー → 個別相談 → 提案 → 契約
という、次の商談を生み出す営業の仕組みになります。
私自身、以前は「満足してもらうために、全部教えよう」としていました。
でも今は、
「満足させること」だけをゴールにしない。
有益な情報をしっかり伝えながら、
「もっと聞きたい」
「自分の場合も相談したい」
と思ってもらえるところまで設計する。
これが、私たちPhase Shiftが考える「受注型セミナー」です。
全部教えるのではなく、次の一歩を生み出す。
セミナーの価値は、そこで終わったときではなく、
「その後、何が始まったか」で決まるのかもしれません。
もし、セミナーをやっているのに思ったような成果が出ない。
そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。